SONY のポータブル CD プレーヤー Discman D-152 を修理する

SONY のポータブル CD プレーヤー Discman D-152 を修理する

音楽はストリーミングの時代ですが、いまだにポータブル CD プレーヤーってなかなか需要があるようで、中でも SONY の Discman はジャンク屋さんで 1,000 円以上の価格が付けられているのをよく見かけます。

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オシャレでハイテクな製品も良いけど、今回はレトロなソニー製品のお話です。
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SONY のポータブル CD プレーヤー Discman D-152

ウィキペディアによると SONY のポータブル CD プレーヤー Discman は 1985 年から 1997 年まで販売されており、世界初のポータブル CD プレーヤー D-50 を改良した D-50MkII という製品から始まったシリーズとのことです。

今回ご紹介する D-152 は 1996 年発売ということで、Discman シリーズの中では新しめの製品となっています。

特徴としては 1 ビット DAC、AVLS (快適音量スイッチ)、DIGITAL MEGA BASS (歪みの少ない低音増強) となっており、デジタル出力端子や音飛び防止機能はなく、非常にシンプルな作りです。

1 ビット DAC

当時、CD が全盛だった頃に 1 ビットというキャッチコピーの付いた製品をよく見かけたものですが、私はひとつも持っていませんでした。

SONY のポータブル CD プレーヤー Discman D-152

1 ビット DAC って CD の 16 ビット、つまり 65,536 段階の縦方向の振幅データをΔΣ変調という方式を使って、細かく区切った横方向 (時間軸) のデータに変換することで縦方向を 1 ビットで表現するところから 1 ビット DAC と呼ばれているらしいです。

16 ビットの精度を出すのが難しかったマルチビット DAC と比べて 1 ビットで済むので部品も少なく低価格でそれなりの音質が確保できるのですが、ノイズが多いとか遅延があるなどと言われており必ずしもマルチビットより優れているというわけでもなさそうです。

ジャンクな理由

さて、そんな Discman ですがジャンク品で 110 円。外観はなかなかキレイなのですが作動不具合ありということでディスクを入れても「No Disc」と表示されてしまうとのことです。

ジャンクな理由

ディスクの読み取り不良はピックアップレンズの清掃やピックアップレーザーの出力を調整することで直ることもありますが、私は専用の道具を持っていないので上手くいったことがほとんどありません。

また、電解コンデンサが液漏れしている場合は交換が必要となりますが、表面実装タイプだとなかなか手間がかかります。

動作確認してみる

CD を入れて再生ボタンを押してみます。

動作確認してみる

はい、確かに no dISC と表示されており、再生することはできませんでした。CD を入れ替えて試してみましたが症状は同じです。

分解、修理してみる

とりあえず分解して中を確認してみましょう。分解はとても簡単で、裏面にある 4 箇所のネジを外すだけです。

分解、修理してみる 1

若干、爪が引っかかっていて固いのですが上部をパカっと取り外すことができます。もちろん分解の前にはきちんと CD を取り出してくださいね。

分解、修理してみる 2

パッと見た感じ、コンデンサの液漏れはなさそうで内部はとてもキレイです。

はじめに思いつくのはピックアップレンズのレーザー出力調整ですが、専用の道具がないのでなるべくこれには触れたくありません。

分解、修理してみる 3

今回はレーザー出力調整は置いといて、サービスマニュアルをもとに他の箇所を調べてみることにしました。

分解、修理してみる 4

RV501 がトラッキングバランス、RV602 がフォーカスゲイン。RV602 の右隣にあるのは RV601 でトラッキングゲインとなっていましたが結果的にこれには触れませんでした。

必ずこれらのネジの角度を写真に撮影して覚えておきましょう。

分解した状態のまま CD をセットして開閉検知のポッチを押しながら再生ボタンを押すと CD の読み込みが始まりますが、読み込みが上手くいったときのキュルキュル感はなく、弱弱しい回転の後にすぐ止まってしまいます。

再生しっぱなしの状態で RV602 のフォーカスゲインを少し回すと TOC を読み込んでいるときのキュルキュルっとした音が聞こえ始め、あっさりディスクを認識するようになりました。

分解、修理してみる 5

簡単に修理できた!と喜んで元どおりに組みなおしたのですが、[前の曲] や [次の曲] を押しても曲のサーチができないという問題が発生。

仕方なくもう一度分解してから、今度は RV501 のトラッキングバランスを少し回すことで曲のサーチができるようになりました。

CD を聴いてみる

その後、動作確認のために CD を数時間再生し続けてみましたが音飛びもなく正常に再生できているようです。

音飛び防止機能が搭載されていないので衝撃に弱く持ち運びもできそうにありませんが、ライン出力がついており高音質ですし、なによりデザインがクールです。

小型な据え置き機としてデスクの片隅に設置したり、ベッドの横に設置して「究極の眠れる CD」を流したりと幅広く使えそうです。

結論

修理できたということで、ソニータイマー解除成功とさせていただければと思います。

しかしながら、ソニータイマーのおかげで早々に壊れてしまいキレイな状態で押し入れにしまい込まれていたのだと思うと、なげやりとしては SONY さんに「ありがとう」と言いたいです。

でも、学生時代に購入した SONY 製のポータブルカセットプレーヤー、ポータブル MD プレーヤーやミニコンポ、ヘッドホンなどはすべて保証が切れた直後にやられてしまったので、やっぱりソニータイマーって恐ろしいものですね。

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