最近、ポータブル CD プレーヤーをいくつか買ったことで CD を聴くようになりました。
円盤を回転させながら流す音楽は格別で、その回転を眺めながらビールなどを飲むと少し贅沢な気分になれますね。
いつもは普通のポータブル CD プレーヤーを使っているのですが、今回は以前にジャンク屋さんで購入した無印良品の壁掛式 CD プレーヤー「CPD-2」を使ってみました。
音、悪っ!
内蔵の小型スピーカーから音が出るので音質にはそれほど期待していなかったのですが、それにしても薄っぺらくてモコモコとこもったような音質です。
ライン出力やヘッドホン出力などの端子が付いていれば外部のアンプに接続して音質を改善できるのですが、残念ながらそういった端子は見当たりません。
分解してみる
それでは早速、分解して内部を確認し、音質を改善できそうな箇所があれば対策を施してみたいと思います。
前面のパネルは全体にスピーカーが内蔵されていそうなデザインになっていますが、実際には左右の隅に小型のスピーカーが配置されているだけです。
まず、音質を改善する方法として思い浮かぶのは、内蔵のスピーカーではなく外部のスピーカーに接続してみることです。
スピーカーを取り外してみましたが、非常に小さく、これでは音質に期待できそうにありません。
このスピーカーの代わりに手持ちの ONKYO のスピーカーを接続してみます。
パワーアンプが内蔵されているので、別途アンプを用意する必要はありません。
ケースのデザインはとてもクールなので、なるべく穴を開けたくありません。
スピーカー端子を取り付けたりなどはせず、もともと小型スピーカーが接続されていた配線に外部のスピーカー用のケーブルを直結してみました。
背面に開いている穴からスピーカーケーブルをのぞかせると良い感じで配線できました。
裏蓋を閉じるとこんな感じです。
このスピーカーケーブルを ONKYO のスピーカーに直接接続してみます。
リファレンス CD として音質に定評のある宇多田ヒカルさんの「HEART STATION」のアルバムを使用させていただきました。
やっぱり音、悪っ!!
名盤が台無しになってしまうような残念な音質です。ザラザラして薄っぺらく、昔のラジカセのような音質です。どうやら、音が悪かったのは小型スピーカーのせいだけではなかったようで、別のところにも問題がありそうです。
HEART STATION
EMI Records Japan
名盤!リファレンス CD として 1 枚どうぞ。
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改善してみる
搭載されているパワーアンプ IC、TA8227PL の音質が良くないのかもしれませんが、IC を交換するとなると大変な作業になるので、とりあえず IC をとおる前の音量ノブのあたりから音声信号を取り出して別のアンプにつないでみます。
だめでした。
1 時間ぐらいがんばってみたのですが、音量ノブの直前はライン出力には程遠い、非常に小さい音声信号しか取り出せませんでした。
さらに TA8227PL のデータシートを見て、入力信号を横取りしてみたのですが結果は同じ。非常に小さい音声信号を TA8227PL ひとつで増幅しているせいで音質が悪いのかもしれません。
残された手段としてはプリアンプを内蔵するか、パワーアンプを取り換えるといったところだと思いますが「なげやり」の読者さんならもう分かりますよね。
ダンボール
残念ですが今回もダンボール箱に直行です。
無印良品の壁掛式 CD プレーヤー「CPD-2」はもう 10 年以上前の製品ですが、最近の製品だと音質が改善されているのかもしれませんね。
結論
壁が広くなったので良かったです。
からの再挑戦
上記の記事を書いたのは 2 年前ですが、押し入れの整理をしていたところダンボール箱の中から壁掛式 CD プレーヤーが出てきたので、再び音質の改善に挑戦してみました。
試行錯誤する
とりあえず記事中で書いたとおり、音量ノブの直前の非常に小さい信号を増幅してみたり、プリアンプを内蔵してみたりして音質を確認してみました。
するとどうしたことでしょう。
パワーアンプ IC、TA8227PL をとおる前、さらには音量ノブの直前でもすでに音が悪いのです。
中音域がほとんど出ておらず、高音域もスカスカ。低音域だけがボワボワとうるさいぐらいに鳴っています。
内蔵されている小型スピーカーの音質をごまかすため、あえてそういった感じの音を作っているのかもしれません。
まさか音質をわざとボワボワにして、なおかつあえて音声信号を小さくするような仕組みが組み込まれているとは思ってもいなかったもので、前回は音量ノブの直前でダメなら仕方ないかとあきらめてしまいました。
ライン出力を取り出す
さて、ライン出力ですが、音量ノブの直前ではなくもう少し手前の箇所から良い感じの音声信号を取り出すことができました。
音量ノブは前回、色々と実験しているうちに取れてしまったのですが、ライン出力が取り出せるなら結果的には必要なくなるので問題ありません。
むしろ、音量ノブや内蔵のスピーカーなどの使用しないパーツは取り除いたほうが効率が良いものと思われます。
ここからライン出力を取り出しますが、そのままだと 1.5V ほどの直流が漏れているので安全のためカップリングコンデンサとして L と R にそれぞれ 0.22uF のフィルムコンデンサを接続しました。
カップリングコンデンサはハイパスフィルターですから、入力側の機器のインピーダンスにもよりますが、低音が不足する場合はより大きい容量のコンデンサを接続します。
ちなみに、私は自作のプリアンプを使用していますが、手元にあった 0.22uF でも十分な低音が得られています。
ライン出力は 3.5mm ステレオミニジャックにケーブルを接続して、電源コードと同じ場所から外に出すことでケーブルもケースも加工することなく配線してみました。GND は適当です。
上の写真のあたりに配置すれば裏蓋と干渉することなく収めることができました。
また、取れてしまった音量ノブの部分はぽっかり穴が開いてしまうので、穴を埋めるために両面テープで音量ノブをくっつけているだけです。もちろん音量が調整できるわけではありません。
結果
ライン出力から外部のアンプに接続してみたところ、今までの音質は何だったんだ!と思ってしまうほどに高音質で、これならオーディオ機器として活用できそうです。
2 年越しのネタでしたが、ダンボール箱の中で眠っていた壁掛式 CD プレーヤーが快適に使えるようになったのはなかなか嬉しいです。
最近、ジャンク屋さんでは音楽 CD が 100 円だったり、50 円だったり、20 円だったり、1 円だったりするのでついつい買ってしまうんですよね。
今後、この壁掛式 CD プレーヤーが活躍してくれることを楽しみにしつつ、今回のネタはおしまいとさせていただきます。
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