某流行り病の影響でスカイプや Zoom を使って通話するシーンが増えてきましたが、パソコンから流れる相手の音声をどうやって受信するかは非常に難しい問題です。
スピーカーからそのまま流すと、その音をこちらのマイクが拾って相手にエコーのように跳ね返ってしまいますし、かといってヘッドホンを使うとコードが邪魔になってしまいます。
今回はそんな問題を解決してくれそうなガジェット、ダイソーの Bluetooth イヤホンを購入してみたので実際に使ってレビューしたいと思います。
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特徴
タイトルの「高音質ワイヤレス片耳イヤホン」というのは商品名なのでそのとおりに記載していますが、本当に高音質なのかどうかは後ほど確認していきたいと思います。
お値段はダイソーですが 100 円ではなく 300 円。それでも Bluetooth 機器としては非常に安いと思います。もちろん MADE IN CHINA で型番は E-BT-ME1 となっています。
- ワイヤレス片耳イヤホン
- 両耳対応
- 連続再生、通話時間約 3 時間
- 連続待機時間約 100 時間
- 通信距離約 10m
- Bluetooth 5.0
- リチウムポリマー充電池 55mhA
Bluetooth イヤホンといえば当時、1 万円ほどするプラントロニクスの製品を購入したものですが、300 円で買えてしまう時代になったのかと悲しい気持ちを抑えつつ、どうせお値段なりの低品質な粗悪品なのでしょうと疑ってかかります。
開封してみる
Bluetooth イヤホンの本体、イヤーパッド、取扱説明書、耳掛けフック、充電用のマイクロ USB ケーブルが入っています。
ダイソーでは普通にマイクロ USB ケーブルが 100 円で販売されていますから、マイクロ USB ケーブルを同梱せずパッケージも箱ではなく袋にしてしまえば販売価格を 100 円にできるんじゃない?と思ってしまいます。
サイズは非常に小さく、デザインはとてもシンプル。本当に中に電子機器が入っているのかしらと不安になるレベルです。
本体もイヤーパッドも左右対称の作りで、右、左、どちらの耳にも装着できるようになっています。
操作できるのは中央の機能ボタンひとつだけという、まさに必要最小限な設計です。
イヤーパッドはオオアリクイの先端みたいな形状になっており、耳の穴にニュッと刺さります。
また、イヤーパッドの輪っかのようになっている部分は耳の骨っぽいところの内側にフィットするので、付属の耳掛けフックを使わなくても装着できます。
上部には充電用のマイクロ USB ケーブルを接続する端子があります。
ちなみに、この写真は未使用な状態のものなので、イヤーパッドの白い部分も安心してご鑑賞いただけます。
以前に購入した他のメーカーの Bluetooth イヤホンと並べてみるとサイズ感はこんな感じです。
プラネックスの BT-05HS とプラントロニクスの VOYAGER 510 は年代物ですが現行品でもサイズは割と大きめなので、ダイソーの E-BT-ME1 の小ささには驚かされました。
ちなみに、当時の注文履歴を確認してみたところ、プラネックスの BT-05HS が 5,610 円、プラントロニクスの VOYAGER 510 が 10,112 円でした。
試用してみる
それでは実際に試用して音質や操作性などを確認してみたいと思いますが、説明書によると初めて使用する前に充電する必要があるとのことです。
付属の充電用のマイクロ USB ケーブルを使って充電器に接続すると、赤色のランプが点灯して充電が始まります。
充電時間は充電器によって異なりますが、急速充電のものを使用すると数分で充電が完了しました。
充電が完了するとランプは青色の点灯に変わり、10 秒後に消灯します。
充電が完了したら機能ボタンを 3 秒以上長押しで電源を入れることで赤青ランプが点滅してペアリングの待機状態になります。
スマホなどのデバイスからは "BTMEL" という名前で表示されるのでペアリングをして接続します。
あとは普通に通話したり音楽を再生すればイヤホンから音声が流れます。
デバイスの音量によっては爆音が流れてしまうこともありますので、音量が適正かどうかを確認してから耳に装着しましょう。
機能ボタンによる操作
機能ボタンがひとつしかないので、操作には少しコツが必要です。
- 音楽再生 / 一時停止 / 電話に出る、切る:機能ボタンを短く押す
- リダイヤル:機能ボタンを短く 2 回押す
- 次の曲:音楽再生中に機能ボタンを 2 秒間長押し
- 電源オン / オフ:機能ボタンを 3 秒間長押し
操作はすべて機能ボタンひとつでできてしまうので、機械が苦手なかたやお子様でも簡単に使いこなすことができると思います。
また、音楽再生で使える [次の曲] といった便利な機能も用意されていますが、機能ボタンを 2 秒間長押しなので誤って電源オフになってしまうこともありそうです。
音楽を聴いてみる
Windows のパソコンに接続するとヘッドセットとして「BTMEL Hands-Free AG Audio」、ヘッドホンとして「BTMEL Stereo」が表示されました。
音楽の再生には A2DP (Advanced Audio Distribution Profile) を使用するので「BTMEL Stereo」を選択しますが、片耳イヤホンなのでもちろんステレオサウンドにはなりません。
さて、その音質ですがここからは個人の感想になりますのでご了承ください。
良い点
- 耳にフィットしてすごく軽いです。
- 音量は十分。すごく大きな音も出ます。
- ノイズはほぼ聴こえません。とてもクリアです。
- 連続再生時間が仕様の約 3 時間よりもだいぶ長いです。
装着感が良く、耳が物理的に疲れることはなさそうです。また、仕様では連続再生時間が約 3 時間とのことでしたが、大音量で再生しっぱなしにした状態で約 5 時間 30 分ほど再生できました。
悪い点
- 高音域が耳に刺さって、耳が非常に疲れます。
物理的に耳が痛くなるわけではないのですが、3.5kHz あたりかそれ以上の高音域がかなりうるさいように感じます。
このあたりの周波数は赤ちゃんの泣き声や女性の悲鳴、金属音やアラーム音といった耳に優しくない音域なので長時間聴き続けていると耳にダメージが及びそうです。
実際にイヤホンを外した直後は若干、耳がボーっとして聞こえづらくなったような感覚がありましたので、音楽を聴くときにはイコライザーで高音域を下げるなどの対策が必要だと思いました。
通話してみる
通話に使う場合は HFP (Hands-Free Profile) を使用するので Windows のサウンドの設定から [再生] タブの中にある「BTMEL Hands-Free AG Audio」を選択します。
さらに [録音] タブを開いてそちらも同様に「BTMEL Hands-Free AG Audio」を選択します。
これでスカイプや Zoom などの音声通話に使えるようになりました。ちなみにスマホで使用する場合はこのような設定をする必要はなく、音楽を聴いているときに着信があると自動的に通話のプロファイルに切り替わります。
さて、通話の品質ですがここからは個人の感想になりますのでご了承ください。
- 耳にフィットしてすごく軽いです。
- ノイズはありますが通話にそれほど差支えはありません。
- 音楽再生に比べて高音域は落ち着いており、相手の声は聞き取りやすいです。
Bluetooth プロファイルの仕様上、音楽再生で使う A2DP は高音質ですが音声の出力のみで入力はできません。通話で使う HFP は音声の出力も入力もできますが A2DP よりも音質が悪くなってしまいます。
A2DP と HFP を同時に使うことはできないので通話の場合は低音質な HFP を使うわけですが、パソコン用のマイクを別途用意すれば、相手の音声を高音質な A2DP で受信しながらこちらの音声をパソコン用のマイクで送ることができるので、スカイプや Zoom で使う場合はそういった使い方もアリだと思います。
結論
連続再生 3 時間という仕様が良い意味で裏切られ、大音量で再生していたにもかかわらず 5 時間を超えて再生できたのには驚きました。
しかしながら、音質に期待せず通話で使うぶんには必要十分だと思いますが、高音質というワードに期待して音楽を聴く用途に長時間使用してしまうと、その強烈な高音域で耳を傷めてしまいそうな気もします。
それにしても、300 円は安すぎます。長時間通話することが多い方は予備機として。
Bluetooth イヤホンに興味はあるけどいきなり高級品はちょっと、と思われているかたはお試しに。
そこそこ実用的な音質と、誰でも簡単に扱える操作性、そして気軽に購入できる価格がとっても魅力的な商品です。
ところで、このうるさい高音域さえなんとかなればと思って、試しにイヤーパッドの中に小さく丸めたティッシュを詰めてみたところ、若干改善されてある程度は聴きやすくなったようです。これなら実用範囲内でしょうか。
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